● 五井の名のいわれ 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 五井の長泉寺の参道を真っすぐ登り、庭に出る左隅に石で囲った古い井戸がある。行基ゆかりの井戸として知られている。
 天平年間(700年代)、行基大師が諸国行脚の折、このあたりを通りかかったことがある。ふと立ち寄られた民家の老婆から「この土地には水がなく、井戸というものがない。」と聞き、「それはさぞかし不便なことでしょう。」と、行基は大変気の毒に思い、「ひとつ私が井戸をつくってあげましょう。」と言って村中のあちこち歩きまわったそうな。
 やがて行基がここぞと思う所に杖を立てられると、ふしぎにも杖のところからきれいな清水が湧き出てきた。ちょうど五か所に井戸をおつくりになったので、村中の人は大喜こびした。行基大師は、「郷中に観音様をまつり信心するのがよい。そうすれば井戸の水は枯れることはない。」と教えて旅立って行かれたそうだ。
 以後、この村の名を五つの井戸のある村、つまり五井と呼ぶようになった。今は、五つの井戸のうち長泉寺の井戸だけが行基の井戸として知られているが、ほかの4つの井戸はどこだったか知るよしもない。

  西の郡の民話 ほんとのんほい より引用 


長泉寺と行基菩薩穿井の碑

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