● 観音山の観音様 前のページへ戻る   HOMEへ戻る 

 今は昔、その年は長雨つづきでした。鹿島に忠右衛門という人がいました。忠右衛門は時折空を見上げてため息をつきました。
「昨年は日照りがつづき、今年は長雨じゃ、こりゃあ今年も作物の稔が少ないだら…困ったことじゃなあ…」
 そのころ豊川が氾濫して、八名郡の辺りが洪水になりました。 たくさんの命、財産を奪った大水は、海へ流れ込みました。
 夜も更けてやっと雨がやみました。
 ポタン ポタン ポッタン ポタン ポタン ポッタン 「これ」 ポタン ポタン ポッタン 「これ、忠右衛門」 ポットン 「わしは、ここに化縁があって来たから」 ポタン 「早く清浄地へ祀るがよい」 ポッタン ポタン ポタン…
 翌朝は久々の上天気になりました。 「へんな夢を見たもんだ」 と忠右衛門はブツブツ言いながら舟を出そうと浜へ出て行きました。 ふと見ると、なんと観音様が舟につかまっているように見えました。 びっくりして、その観音様を手に取り、家に持ち帰りました。 忠右衛門はかみさんに「昨夜の不思議な夢のおつげの観音様じゃ。 よく拝むがいい」と言ってお祀りしようと、大事に持って来た手を開けると、なんと何のヘンテツもない自然木でした。 「おかしいな。 こんなばかなこたぁない。 たしかに観音様だったのだが…」 と思ってそれでも壇の上に置いてみました。 すると!不思議なことに光明輝く観音様に変身したのです。 そこで、観音様を浄地にお祀りしました。 のちに本光寺によって、源光寺と称して開山されました。 誰言うことなく、この山を観音山と呼ぶようになったそうです。
 広報がまごおり(平成24年5月号) より引用 


源光寺

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