白馬になった池の主 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 昔中山村に八左ヱ門と言う男がいました。 ある日馬を引き石堂山に草刈に出かけましたが、いつの問にか引いていった馬がいなくなりました。 驚いてあちらこちら尋ねましたが見当たりません。 馬はきっと家へ帰っているにちがいないと思いながら豊島ケ池のほとりにある三本松の近くまで来ますとどうでしょう、馬がゆうゆう草を食べているではありませんか、喜んだ八左ヱ門、馬に乗ろうとしましたら、その馬はパット白馬に変り、池を目がけて飛び込もうとしました。 八左ヱ門は驚いて 「助けてー」と大声をあげました。すると白馬は 「わしは池の主の化身である。お前をわしの家へつれていく」と。 八左ヱ門は気も転倒せんばかりに驚いて、「あなたのためどんな供養でもしますから命だけはお助け下さい」と手を合わせておねがいしました。 すると白馬はサットと消えてしまいました。
 八左ヱ門は飛ぶようにして家に帰り、すぐお米をついて三本松へ行き鍋に米を入れ火を炊きました。 ごはんが出来上がろうとする頃池の水がわき立って物凄い音がしました。 驚いた八左ヱ門は鍋もそのまま家へ逃げ帰りました。 あくる日おそがおそが三本松へ行って見ました。 鍋のごはんはすっかりなくなっていました。 それ以来毎年12月の晦日には池のほとりでお供をつくり池の主に捧げたと言うことです。 この事は八左ヱ門の子孫にも受け継がれたそうですが明治の終り頃にいつとはなしに止んだそうです。

渥美町の伝説(渥美町教育委員会発行)より引用 


三本松明神・豊島池

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