● 雀射式(じゃくしゃしき) 前のページへ戻る   HOMEへ戻る 

 毎年4月10日、11日、華やかに花火があげられることでよく知られている、小坂井祭が行なわれます。この祭の前日、4月9日、豊橋市日色野町にある菱木野神社では、ある神事が神々しく持たれます。体を冷水で清めた神官が松の大木を矢で射るという儀式です。これを怠った時はよくない事がおこるとも伝えられています。
 千年以上も昔のことです。当時村では、その年の村の安全を神様にお頗いするために、村の娘を人身御供として神にささげておりました。習慣とはいえ、それでは娘達があまりにあわれです。そこで村人たちは相談して神様と別な約束をすることになりました。娘の代りに、1年12ヶ月の安全を祈り、12羽の雀を射て、それを神様にさしあげるというわけです。この行事は雀射式と呼ばれ、以後菱木野神社の年中行事の1つになりました。
 ある時、12羽の雀を射るのが面倒だといって雀射式をやめてしまった年がありました。するとその年には、けがをする人が続々と現れ、悪い病気にかかり、倒れる人が後をたちません。楽しいはずの村祭の日には、車をひいて坂にさしかかった村人が、突然動きだした車で、けがをするという事件まで起こりました。これにこりて以後毎年神官に雀射式をしてもらったといいます。
 今では12羽の雀ではなく、松の大木を射ていますがこの儀式は現在も続けられています。

豊橋のむかしばなし(豊橋市立中学校国語部発行)より引用 


菱木野神社

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