踊山のうた 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 今から 400年ほど前のお話です。

「ザク ザク ザク」
 おどり山の南がわで、草をかる音がしています。夜があけると、八幡村の人たちは一せいに集まって、草かりをはじめました。山のちょう上ちかくまでかったころ、北がわのほうからも、
「ザク ザク ザク」
 という音が聞こえてきました。
 平尾村の人たちも、かまを持って山の北がわの草をかっていたのです。
 どちらの村でも、かりとった草は、畑のこやしや馬・牛のえさにするのです。
「おーい 平尾のしゅう、この山は八幡の山だ。草をかってはならんぞ。」
「とんでもない。八幡のしゅう、この山は平尾の山だ。」
「わるいのはおまえたちだ。」
「おまえたちこそわるいんだ。」
 やがて両方の村人たちは、手に持ったかまをふりかざして、けんかになりました。
 まいとし、春・秋の2度草かりがありましたが、そのたびに両方の村のけんかがおこりました。そしておおぜいのけが人がでました。
 ある夏のことです。平尾村の庄屋と、八幡村の庄屋が集まってそうだんしました。
「わしらはながいあいだけんかばかりしていたが、仲なおりできんものじゃろうか。」
「そうよなあ。山の南と北といっても、おれたちは同じ川の水をつかっている仲だしなあ。」
 2人の庄屋からその話をきいた村人たちは、よいことを思いつきました。それは、山の上で盆おどり大会をひらくことでした。
 そのとしのお盆の夕方のことです。
「ドーン ドーン ドン ドン ドン。」
 たいこを先頭にあみがさをかふり、木の刀をさした男たちかのぼってきました。山の上につくと、そこに白い旗たてました。空がだんだん暗くなると、おどりのわのまん中にかがり火をたき、歌の上手な老人が声をはりあげてうたいました。

 四角柱は アソンレ
 かどらしょ ござる
 かどの ないのが エー
 なお よかろ エー
 かどの ないのが エンエホ エンエホン
 かどの ないのが エー
 かどの ないのが エー
 なお よかろ エー ソレソレ

 笛やたいこにあわせて、見物の人たちもうたいました。
 こうしてふたつの村はたいへん仲よしになったということです。

とよかわのむかしばなし(豊川市小中学校社会科研究サークル発行)より引用


踊山

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