● ふない姫 いわい姫 はない姫 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 ずっとむかし、豊川の里に長者がすんでいました。
 長者には、3人の美しいむすめがいました。 長女は ふない 17さい。 二女は いわい 15さい。 三女は はない 13さいでした。 
 ちょうどそのころ、みやこから、三河の国をおさめる新しいお役人が、国府へおつきになりました。 大江定基というかたです。

 長者は、さっそくあいさつに上がりました。
「ようこそおいでくださいました。 さぞおつかれになったことでございましょう。 たびのおつかれがとれましたら、ぜひ豊川の里へもおこしください。3人のむすめが、おもてなしをいたしますから。」
「それはありがたい。 近いうちにおたずねしましょう。」
 家に帰った長者は、むすめたちにこのことを話しました。 そして、こんどのお役人はわかくてりっぱなかたであることもつけたしました。
 むすめたちは、やがておこしになるお役人のために、おどりやりょうりをしんけんにならいました。 そして、いつの間にか3人のむすめたちは、そのお役人のおよめさんになりたいと思うようになりました。

 ところが しばらくして、長者は急に重いびょう気になりました。
 むすめたちは、夜もろくろくねむらないでかんびょうをしましたが、長者のびょう気はますます重くなるばかりでした。 お宮やお寺へも行き、「父のぴょう気が、早くなおりますように。」
と しんけんにおいのりをしました。
 しかし、むすめたちのかんぴょうのかいもなく、長者はなくなってしまいました。 むすめたちは力をおとし、しばらくは何もする気にはなれませんでした。
 そのうちにお役人はよそのきれいなむすめさんをおよめにもらいました。

 父がいなくなったむすめたちは、おじさんのおせわになってくらすようになりました。
 あきやになった長者の家は、だんだんあれていきます。
 「おとうさまさえ生きていてくださったら。」
と、むすめたちはいつもなげきかなしんでいました。
 それからしはらくたちました。
 お役人のすがたが見られなくなりました。 およめさんがなくなったので、みやこへ帰っておぼうさんになったということです。
 それをつたえ聞いたむすめたちは、たいへんさびしかり、頭をそってあまさんになってしまいました。 そして それぞれとよ川のきしべに、草ぶきのそまつな家をつくり、しずかにくらしたそうです。

ふない姫の家は北金屋堺、いわい姫の家は念誦坂、はない姫の家は古宿であったとつたえられています。 また、いまの花井寺は、はない姫の家のあとにたてられた寺だといわれています。

とよかわのむかしばなし(豊川市小中学校社会科研究サークル発行)より引用 


花井寺

延命寺

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